女性の膀胱痛症候群, 現代医学と鍼・LLLT(低出力光療法)の可能性について

鍼と灸とLLLTと

このような症状はありませんか?

  • 尿検査では異常がないのに,膀胱が痛む
  • トイレが近い
  • 下腹部の不快感が長く続いている

このような症状の背景には,「膀胱痛症候群(Interstitial Cystitis / Bladder Pain Syndrome, IC/BPS)」と呼ばれる状態が隠れているかも知れません.

膀胱痛症候群とは?

膀胱痛症候群は,

  • 膀胱周囲の痛み
  • 下腹部の不快感
  • 頻尿
  • 尿意切迫感
    (突然ガマンできないほど強い尿意が襲ってくる状態)
  • 排尿で少し軽快する痛み(蓄尿時痛)

といった症状を特徴とする,慢性的な膀胱関連痛の総称です.

細菌感染による一般的な膀胱炎とは異なり,
尿検査では大きな異常が見つからないことも少なくありません.

また,

・症状の強さに波がある
・ストレス・疲労・睡眠不足で悪化しやすい
・長期間続く

などの特徴もみられます.

なぜ起こるのか?

現在でも, 原因は完全には解明されていません.

ただし近年では,

  • 膀胱粘膜のバリア機能の低下
    (膀胱の内側の「守る膜」が弱くなり,刺激に敏感になる状態)
  • 慢性的な炎症
  • 神経過敏
  • 骨盤底筋の緊張
  • 自律神経の乱れ
  • 中枢感作
    (痛みに敏感になった状態)

などが複雑に関与していると考えられています.

つまり, 単純な「膀胱の炎症」だけでは説明できない複雑な病態ということです.

現代医学ではどのような治療が行われるのか?

泌尿器科では,症状に応じて次のような治療が行われています.

・生活指導
・食事指導
・ストレス管理
・薬物療法
・膀胱内治療
・骨盤底リハビリ
・神経調節療法

しかし,慢性化したケースでは症状を完全に消すことが困難なことも少なくありません.

・痛みに対する不安
・睡眠障害
・慢性的緊張
・疲労蓄積

などが重なり, 悪循環に陥ることがあります.

鍼治療はどのように考えられているのか?

鍼治療は, 現代医学の代替ではなく,

慢性症状を支える補助的アプローチとして研究が進められています.

膀胱痛症候群では,

・骨盤底筋の過緊張
・慢性的な交感神経緊張
・痛覚過敏
・ストレスによる悪化

といった要素が関係することがあります.

そのため鍼灸では,

・筋緊張緩和
・自律神経調整
・血流改善
・疼痛抑制系への刺激
・睡眠改善

などを目的として施術が行われることが多いかと思います.

特に,

  • 疲労やストレスで悪化しやすい
  • 首肩こりや冷えを伴う
  • 睡眠が浅い
  • 骨盤周囲が緊張している

といったタイプでは, 局所の施術に全身状態の調整を併用することが多いかと思います.

LLLT(低出力光療法)とは?

LLLT(Low Level Light/laser Therapy, 低出力光療法)は, 弱い近赤外線などを用いて組織機能をサポートする方法です.

強い熱を加える治療ではなく,

・血流サポート
・筋緊張緩和
・疼痛緩和
・組織代謝サポート

などを目的として用いられています.

慢性疼痛や自律神経症状では,

・首周囲
・交感神経周囲
・骨盤周囲

などへの照射が行われることがあります.

近年では, 細胞内のエネルギー生産を担うミトコンドリア機能との関連も注目されています.

鍼とLLLTを併用する意義

膀胱痛症候群では,

「炎症だけ」「筋肉だけ」「精神的問題だけ」

では説明できないケースが少なくありません.

そのため,

・痛み
・筋緊張
・睡眠
・ストレス
・冷え
・自律神経

などを総合的に考える必要があります.

鍼やLLLTは,

現代医学で治らないから代わりに行う

というより,

慢性的な負担を少しでも軽減し, 日常生活を支える

ための補助的な選択肢として用いられることが多いかと思います.

まずは泌尿器科での評価が重要です

膀胱痛症候群に似た症状でも,

・尿路感染
・尿路結石
・婦人科疾患
・悪性疾患

などが隠れている場合があります.

そのため,泌尿器科での検査を受けることが重要です.

その上で,

  • 慢性的な痛みや不快感が続いている
  • ストレスや疲労で悪化しやすい
  • 睡眠や緊張も関係していそう

という場合には,鍼やLLLTを併用することで症状管理の助けになる可能性があります.

慢性症状では, 「完全にゼロにする」だけでなく,

・悪化しにくくする
・生活しやすくする
・睡眠を改善する
・身体の余裕を増やす

という視点も大切かと思います.

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