お灸を据えよう 印堂穴の紹介 目の疲れとツボ

目の疲れ
眼精疲労の改善には血流が大切

眼精疲労ってどんな症状ですか?

眼精疲労とは,目の使いすぎからくる目の痛み,目のかすみ,目の充血,まぶしい,複視(二重にみえる),目が乾く,肩頸こり,めまい,頭痛などの症状が,十分な休息を取ったにもかかわらず回復しにくくなった状態のことです.

複視について軽く調べてみると,両眼複視の場合には外眼筋,片眼複視の場合には水晶体や虹彩など眼に問題が多いこと説明されています.もちろん,その背景にある疾患や外傷なども含めてですね.

では,眼精疲労に於ける複視とはどのようにして生じる症状なのでしょうか?私個人としてもパソコンの使用時間が長く,たぶれっとを使用した電子書籍の読書時間が長いため,もはや眼精疲労は日常的な問題です.経験的にも眼精疲労によって物が二重に見える複視が生じるのは最早日常となっています.眼精疲労の複視がどのようなメカニズムで生じるかについて考察したことがなかったので,ちょうど良い機会なので自分の症状の観察を行った上で調べてみることにしました.

眼精疲労に於ける複視の原因とは

一般的な複視の原因について調べると,先に書いた通り外眼筋と眼(水晶体,虹彩etc.)に原因があるように説明されています.では,眼精疲労の複視は両眼複視なので外眼筋に問題があるのでしょうか?

ここで自分が眼の疲れによる複視状態になったときの状態をよく観察してみました.

  • 眼の奥の痛み
  • 後頭部の痛み
  • 目の充血
  • ドライアイ
  • 目がかすむ
  • 物が二重に見える
  • 眼球を動かすと眼の表面に鋭い痛みが生じることがある
  • 鋭い痛みの後には流涙が生じる

物が二重に見えると言っても,実際には電子書籍の場合には行と行が重なってしまい文字が判別し難い状態となります.眼の表面に鋭い痛みが生じ涙が出た後では,複視状態はある程度の時間は改善します.眼の動きに伴い鋭い痛みが生じる前には,目の乾きを自覚していることにも気がつきました.無意識にまぶたを指で擦っていることにも気がつきました.

これらを踏まえた上で眼精疲労に於ける複視について改めて考えてみました.モニターを長時間見続けるということは,視線の動きが減少し遠近様々な物を視ることが少なくなります.外眼筋の運動量が少なくなり頸肩こりよろしく筋運動の低下により筋内の血流が減少し,所謂「コリ」状態が生じて筋パフォーマンスが低下する.これにより左右の視線にずれが生じて複視となる.

そのようなことも起こるかも知れませんが,個人的にはしっくりしないです.眼の鋭い痛みの後の流涙により改善するのは何故なのだろうか?外眼筋のパフォーマンスの問題なら無関係な気がします.

目の構造を思い出すと,まぶたの裏側にまで広がる結膜や角膜は互いに接触しています.涙とはその摩擦を減少させる役割も担っています.目の乾きが進行し充血した状態になると,結膜や角膜の摩擦抵抗は上昇します.そこを無理矢理動かせば摩擦により痛みは生じます.両眼の乾燥状態が左右で異なっているとき,左右の結膜角膜の摩擦抵抗は異なった状態となります.この時,視線を軽く動かそうとすればそれぞれの摩擦により眼球の動きに差異が生じ,視線が一致しなくなり一時的に複視が生じる.

目の乾燥により眼瞼眼球の結膜と角膜の摩擦が上昇することで両眼球の動きに差異が生じ一時的に複視が起きる.

何となくこちらの方が個人的には腑に落ちる感じがします.

眼精疲労のツボを選ぶときに考慮図べきこと

眼精疲労に効くツボ,いわゆる目に効くツボはいくつもあります.セルフケアとしてお灸を据える際に考慮しなければいけないことの一つとして,ツボの見つけやすさが挙げられます.どんなに効果が高くてもツボの場所が見つけにくければ意味がありません.手軽に出来るからこそセルフケアとして長く続けることが出来るのです.

印堂はどのようなツボですか?

印堂には鎮静,安神あんしん,止痛,通竅つうきょうなどの作用があります.安神とは意識・精神・思惟活動といった神志の失寧しつねいを整えるという意味です.五臓はそれぞれ目(肝)・舌(心)・口(脾)・鼻(肺)・耳&二陰(腎)に開竅しています.通竅とは,これらの竅が閉塞により機能失調した状態を整えることとお考えください.印堂には主に目や鼻に作用し整える効果があります.

印堂をお勧めする理由とは

数ある目に効くツボの中で印堂をお勧めする理由は,取穴が簡単であること,止痛・通竅に加えて安神・鎮静効果があることにあります.仕事で目を酷使するようなケースを想定した場合,やはり目の疲れだけでなくイライラ感などストレスを募らせていて,肝気鬱血状態が継続していることが容易に想定できるからです.睡眠の不調などにも効果を有するツボですから使いやすいと思います.

印堂(Ex-HN3)の位置はどこ? ツボの取り方

印堂の位置はとても簡単です.針灸学経穴編では以下のように紹介されています.

頭を後ろにもたれかかけ,両眉の間の中央.

左右の眉頭の中間点になります.

印堂 (Ex-HN3)
印堂穴 左右眉頭の中央

印堂は具体的にどのような症状で使うツボですか?

鎮静,安神あんしん,止痛,通竅つうきょうと行ったように,一般の方はツボがどのような作用を持っているのかと言われても,それをどのように活用すれば良いのか分かりにくいかと思います.

私の場合も施術中によく尋ねられるのは,「何のツボですか?」という質問です.つまり,どのような症状に効果がるのか?,どの部位に効くのか?といった意図の質問しかされたことはありません.穴性について患者さんから訊かれたことは一度もありません.

いろいろな考え方があるのかも知れませんが,以下のような症状などに使われることが多いかと思います.

眼精疲労,目の充血,目の痛み腫れ,目のかすみ,近視,鼻炎,花粉症,前頭部痛,不眠,目眩,低血圧 etc.

目の疲れ(眼精疲労)に併用すると良いツボはありますか?

糸竹空
散風泄熱,通絡止痛の作用があるので目が充血しているような症状にはお勧めです.
合谷
合谷には疏風解表,清泄陽明,理気止痛,鎮静安神,開関通竅など様々な作用があり,属する手陽明大腸経の流注から顔面の五官(目鼻耳唇舌)の病症によく用いられます.風池や曲池などとの併用もお勧めです.
曲池
手陽明大腸経の合穴である曲池は合谷同様に広汎な作用を有する経穴として知られています.熱を清散し上昇を調理する効果もあり,合谷や大椎などと併用することもあります.
目窓
目の不調によく用いられる経穴の一つです.去風消腫,清頭明目の作用があります.頭部にあるため台座灸だと施灸できないと思います.ヘアピンと棒灸を活用してください.

目窓
目窓
印堂と糸竹空
糸竹空と印堂
合谷と曲池
合谷と曲池

台座灸の据え方はこちらをご参照ください

PVアクセスランキング にほんブログ村

はしつどい 東洋医学と道楽 - にほんブログ村

error: Content is protected !!
タイトルとURLをコピーしました