妊活とお灸 Ⅰ

お灸(陶器灸) ツボとお灸と
艾と陶器による温灸
お灸(点灸)
お灸(点灸) 灸点紙を用いた八髎への施灸

妊活とお灸 セルフケアにおける疑問点とは?

妊孕性にんようせいの改善を図るための施灸方法・配穴(ツボの組み合わせ)は数多く存在します.プロが行うお灸であればきゅう師おのおのが採用する施術法に基づいて施灸すれば良いのですが,一般の方がセルフケアとして行う場合には少々悩ましい問題があろうかと思います.

  • お灸を据えるツボはどうすれば良いのか?
  • 灸の種類は何にすれば良いのか?
  • 一つのツボにどのくらいの数の灸を据えれば良いのか?
  • 施灸の頻度はどうすれば良いのか?

実際に初めて施灸しようと思えばすぐに思いつくだけでも上の様なことが疑問になるでしょう.ここでは初めてお灸に挑戦する方向けにちょっとしたコツなどを交えて紹介していきたいと思います

妊活によく用いられる中条流不孕の灸とは?

中条流不孕ふようの灸あるいははらみの灸とも言われる施灸方法は日本でも古くから行われて来ました.様々なところで紹介されているので既にご存じの方も多いのではないでしょうか.この中条流不孕の灸と言われるお灸のツボの取り方は,手元にある書籍では二つのツボの取り方が紹介されています.どちらの方法を採用されても下腹部に位置することは変わりませんし,骨盤内の血流改善には大切なツボであると言えます.

ツボの取り方

鍼灸師がツボの位置を探ること,求めることを取穴あるいはツボを取るといいます.経穴の位置は概ね決められているので,一般的には筋肉や骨の目印などを参考にしながら取穴します.さらにはその位置の周囲に触れ,皮膚の冷たさ・陥凹・滑らかさ,筋肉の硬軟などを参考にしつつツボ位置を修正することもあります.

中条流不孕ちゅうじょうりゅうふようの灸におけるツボの取り方は縄折法じょうせつほうという紐を使ってツボの取る方法を用います.珍しいと思う人もいるかも知れませんが,灸療においてはよく使用される方法です.

取穴法①

  1. 両法の口角の長さを一辺とした正三角形を作る.(図1のC)
  2. その正三角性の頂点を臍に当て,底部の双方の角がツボになります.(一辺の長さ=C)

取穴法②

  • 一方の口の端から鼻中隔を経て他方の口の端までの寸を取り,その長さを一辺として正三角形を作る.(図1のA+B)
  • 上の角を臍中にあてて底辺の二角を穴処とする.(一辺の長さ=A+B)
図1
図2 正三角形の頂点は臍

取穴法①臍傍穴さいぼうけつ疝気穴せんきけつとして中国においても古くから行われていました.また,三角灸という灸法もツボの取り方は取穴法①と同じです.中条流不孕の灸の灸点(臍傍,疝気)は三角形の二つの底角なのに対して,三角灸の灸点は頂角(臍)を含めた三つの角となるのが違いです.臍は経穴学では神闕しんけつというツボに当ります.

余談になりますが,神厥に点灸や台座灸で施灸することは難しいですが,輻射熱で経穴を温めることができる中国式の棒灸などでは簡単に施灸することが可能です.

取穴法②は図1図2でお分かりの通り,正三角形の一辺が取穴法①よりも長くなるため,施灸点(ツボ)は取穴法①で求めた施灸点よりも外下方になります.これらの点は水道すいどうあるいは胞門ほうもん(左)子戸しこ(右)などと呼ばれる経穴と概ね一致するとされています.

どのくらい据えるのか?

これらの経穴に灸熱緩和紙(点灸紙)を用いた点灸を据える場合には,自分の場合は多壮として各穴とも10~20壮ほど据えツボに染みこむような適度な熱痛覚を与えます.(透熱灸)ただ温かいのではなく心地よさを伴う熱さであることがポイントです.

棒灸の場合にはツボに据える場合には5~10分ほど雀啄じゃくたくしながらシッカリと温めます.棒灸における雀啄とは棒灸をツボに近づけたり遠ざけたりしながらツボを心地よく温熱刺激することです.点としてのツボではなく三角灸として三角形の範囲内(ゾーン)に据える場合には20分ほどかけて施灸すると良いでしょう.自分の場合ゾーンとして三角形の内側に据える場合には,棒灸ではどうしても手間が掛かってしまうので,箱灸や陶器灸を使用して広い範囲をじわじわと加温する温灸を選択しています.

箱灸
箱灸

上の写真の箱灸は専用の艾を使用して施灸する有煙の温灸方法ですが,スモークレス棒灸などを短くカットすることで快適な温灸を据えることが可能です.条件を変えながら自分にとって心地よい方法を見つけるのも面白いかもしれません.箱灸の施灸方法は別の機会にご紹介することに致します.

中条流不孕の灸を台座灸温筒灸で行う場合には,それぞれの穴に1壮ずつではドーゼしげきりょう不足かもしれません.施灸点の火傷を予防するために,施灸点を1㎝ほど移動させて2~3壮据える方が良いかもしれません.

施灸の頻度はどうするのか?

あくまでセルフケアとしてのお灸ですので,可能であれば毎日行った方が良いかと思います.灸師が施術としてクライアントに施すのとことなり施灸点も限られているので,灸あたりなどの副反応は生じにくいと思います.もし施灸の翌日に倦怠感を感じるようであれば,灸の数を減らすなどして調整してください.

また、取穴法は二つありますのでそれぞれ毎日交代で行うのも良いかも知れません

施灸に当っての注意とは?

セルフケアとしてのお灸は無痕灸としてご紹介していますので,火傷にはくれぐれもご注意ください.体調が優れないときなどは無理して施灸しないでください.自己責任ですので十分に注意しつつ行ってください

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