ADHD症状が慢性疼痛の重症化に関与か 日本の研究が示唆

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ADHDとは?

少し遅くなりましたがADHDと慢性疼痛について、The Japan Times に興味深い記事が掲載されていましたので,その内容をご紹介したいと思います.記事を直接ご覧になりたい方はリンクから跳んでください.

はじめに、ADHDという言葉に馴染みのない方もあろうかと思いますので簡単にご説明します.ADHD(注意欠如・多動症)は,「不注意」「衝動性」「落ち着きのなさ」などの特徴を持つ発達特性です.近年では,脳内のドーパミンやノルアドレナリンといった神経伝達物質の働き方の違いが関係していると考えられています.そして,ADHDは単なる「集中力不足」ではなく,注意や興味の向け方に偏りや波が生じやすい特性として理解されています.興味のある分野には非常に強く集中できる一方,単調な作業や刺激の少ない環境では能力を発揮しにくいことがあります.

最近,東京大学の研究チームが,ADHD(注意欠如・多動症)の傾向がある人ほど,慢性的な痛みが強く出やすいという興味深い結果を発表しました. 全国の痛み専門センターで治療を受けている 958名の患者さんを調べた大規模な研究です.

ADHD傾向のある人は、痛みが強く出やすい

調査では

  • 17.1%の患者さんにADHDの傾向がみられました(一般の2倍以上)
  • 特に 痛みが最も強い(10段階で9〜10) と答えた方では,27.4%がADHD傾向ありと判定されました

つまり,痛みが強い方ほど、ADHDの特徴を持っている割合が高いという結果です.
一方で,自閉スペクトラム症(ASD)については、痛みの強さとの明確な関連は見られませんでした.

なぜADHDが痛みに関係するの?

ADHDの方は,脳内のドーパミンやノルアドレナリンの働きに特徴があり, 痛みを感じやすくなる可能性があると考えられています

また,今回の研究では、ADHDの傾向があると

  • 不安が強くなりやすい
  • 気分が落ち込みやすい
  • 痛みを「もうダメだ」と悲観的に受け止めやすい(痛みの破局的思考)

といった心理的な反応を通じて, 痛みがさらに強く感じられる可能性が示されました.

痛みは「身体だけの問題」ではなく,心の状態や考え方とも深くつながっているということですね.

この研究からわかること

今回の結果から,研究チームは次のように提案しています.
慢性痛の治療では、ADHDの傾向をチェックすることも大切

ADHDの特徴に気づかずにいると, 痛みが強くなったり,治療が進みにくくなることがあります.
ADHDへの適切なサポートが、痛みの改善につながる可能性

薬物療法や心理的サポートなど,ADHDに対するケアを行うことで,不安や落ち込みが軽くなり,結果として痛みの感じ方も和らぐ可能性があります

まとめ

痛みが強く続く背景には,身体だけでなく“心の特性”が関わっていることがあります.ADHDの傾向があると,痛みを強く感じやすくなることがわかってきました.こうした特性に気づき,必要なサポートを受けることで,痛みの改善につながる可能性があります.

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