お灸を据えよう スモークレス編

ツボとお灸と
点灸(お灸)
灸熱緩和紙を用いた点灸(お灸)

お灸って何ですか?

お灸とは主にもぐさを用いて,一般的にはツボとして知られている経穴けいけつを刺激して身体の不調を改善すること,病気を予防することを目的とした伝統医学(conventional medicine)に属する施術法です.主に艾(百草もぐさとも書きます)と書いたのは,薬物を使用して刺激する薬物灸や電気刺激で経穴を刺激する方法なども灸の仲間として存在しているからです.灸術の歴史は古く三千年ほど前の中国に起源を有するとされています.

特殊な灸法は除いて,お灸には上の写真のような点灸と温灸とが存在します.温灸は経穴を心地よく温めることを目的としたものが多くたくさんの方法が存在します.生姜しょうが灸や大蒜にんにく灸,塩灸,温筒おんとう灸,台座灸などは良く知られているかと思います.温灸は目的に応じた施灸ポイントさえ分かれば専門職ではなくても比較的簡単に行えたため,古来家庭内でセルフケアとして広く行われていました.手軽さと心地よさはセルフケアとして温灸を行っていくうえで欠かせない要件ではないかと思います.現代では温筒灸や台座灸は市販されているものが多いので,一般の方でも入手しやすくセルフケアには適していると言えます.

温灸塩灸
塩灸

艾もぐさってどんなもの?

セルフケアとしてお灸を取り入れる際に問題となりやすいものとして挙げられるのは煙と匂いです.換気が大変とか匂いが取れないといった苦言は鍼灸師しんきゅうし※1をしていると耳にすることは少なくありません.個人的には点灸用の艾の匂いは好みですが,温灸用の艾は夾雑物きょうざつぶつが多くその煙と匂いは例えそれなりの換気設備が整っていたとしても願い下げです.

※1 鍼灸師は”はり師”と”きゅう師”の二つの免許を有した者の俗称です.はり師ときゅう師は国家資格と言われることが多いですが,厳密に言うと免許になりますので業務独占が伴います.

艾における夾雑物とは何かについて疑問に思われるかたもあるかもしれません.点灸に用いられる良質艾はよもぎの葉の裏にある毛茸もうじょうと腺毛から作られます.これらの割合により艾の柔らかさ香り着火性などが左右されます.温灸用の艾は毛茸もうじょうと腺毛以外の材料つまり夾雑物が多いため,燃焼時の煙が多く匂いも酷くなります.ただし夾雑物の多い艾は燃焼温度が高くなるため間接的に経穴を温める温灸に用いられます.次の写真は点灸用もぐさの写真です.動画じゃないので伝わりにくいですがふわふわモフモフ感が伝われば僥倖です.温灸用の艾は持っていないので写真はありません.

もぐさ点灸用
点灸用もぐさ

煙の少ない温灸って?

セルフケアとして自室でも行えそうな煙と匂いの少ない温灸としてお勧めなのが炭化もぐさを使用した台座灸と温筒灸です.いわゆるすみのようなものなので煙と匂いはかなり抑えられています.

炭化もぐさを使用した温灸
炭化もぐさを使用した台座灸と温筒灸

温灸を行う際の注意点

台座灸と温筒灸はともに皮膚との間に隙間があり空気層を介して皮膚(ツボ)に熱を伝えます.これら温灸の温度は両者ともにおそらく45℃~46℃に調整されていますが,厚さの感じ方は人によって大きな差があります.熱刺激のピークは数十秒ですが熱過ぎると感じる場合には途中で取り除くことが必要になります.その際に素手で台座や筒を掴むと,外側はかなり厚くなっていますので掴んだ指が火傷することが懸念されます.特に台座灸はシールで皮膚に張り付けているので,取り除く際には少し力を籠める必要がありますので注意が必要です.お勧めの対処法としては簡易なトング見ないなものを使用することです.勿論熱さが許容範囲であればそのまま温熱刺激がおさまるまで2~3分ほど温灸を楽しんでいただければと思います.

台座灸温筒灸を行う際に必要なもの

  • 台座灸若しくは温筒灸
  • 灰皿
  • トング(みたいなもの)
  • 水を含ませたティッシュなど(温筒灸の場合)

ちなみに上の写真の台座灸と温筒灸の商品名は以下の通りです.

台座灸:せんねん灸の奇跡

温筒灸:カマヤミニ スモークレス

両者ともにAmazonなどで気軽に手に入ります.興味のある方は十分に注意しながら行ってみてください.症状と施灸部位や点灸によるセルフケアのやり方などについては今後少しずつ綴っていく予定です.

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