当室を受診されるまでの状況
初回時の年齢30歳
3年前から不妊専門クリニックで不妊治療(ART:生殖補助医療)を受けているが妊娠に至らない.
検査で卵管狭窄が見つかったので,卵管鏡による手術を受けた.
その後、体外受精を4回ほど受けたが、精子の状態や胚のグレードに特に問題が無いにもかかわらず妊娠しない.
なんとか着床させたいと考えて鍼灸を受けることにした.
不妊以外の症状
足の冷え・浮腫みを強く感じる
足腰が重だるい
疲れがとれない
下痢することが多い
初診時の舌・脈
脈:沈弱
舌:淡舌・苔白滑・歯痕
主な施術内容
《主に使用した経穴》
脾兪/腎兪/関元兪/中膠/太溪/湧泉/太白/神闕/関元/中脘/足三里/三陰交
などの経穴から必要に応じて取穴
《施術頻度》
施術頻度は1回/週
《主な施術内容》
撚鍼法&置針法/陶器灸/箱灸/点灸
首尾
一度の流産を経て、一年半後に妊娠、12Wで卒業
(採卵2回・移植三回)
備考
冷えと浮腫みが強いことから、温補脾腎の観点から経穴を取穴.
温灸も陶器灸と箱灸を取り入れて利水に尽くした.
2回の採卵,顕微授精(ICSI)を経て、3回目の移植で妊娠し,卒業・出産に至る.
30W頃から浮腫みと腰痛が強くなったので,鍼治療を行った.