卵巣血流と黄体機能を整える鍼灸&LLLTの力

鍼と灸とLLLTと

――着床と妊娠を支える“血流”という基盤

はじめに

妊娠の成立には、卵子・精子・子宮の条件が整うことが欠かせません。
そのなかでも、見落とされがちなのが「卵巣の血流」です。
卵巣に十分な血液が届くことは、卵子の質や排卵のリズム、
そして排卵後にできる「黄体」の働きにも深く関わっています。

今回は、鍼灸と低出力レーザー(LLLT)によって卵巣の血流を整えることが、
どのように妊娠力の向上につながるのかを分かりやすくご紹介します。

🌿 卵巣の血流が整うと、なぜ良いのか?

卵巣は、毎周期卵胞を育てて排卵し、黄体を形成するというサイクルを繰り返しています。
この働きを支えているのが、酸素・栄養・ホルモンを運ぶ血液の流れです。

しかし、冷えやストレス、長時間の座位などによって骨盤内の血流が滞ると、
卵巣への血液供給が不足し、次のような変化が起こりやすくなります。

  • 卵胞の発育が遅れる
  • 排卵後の黄体化が不十分
  • 黄体ホルモン(プロゲステロン)の分泌が不安定
  • 高温期が短く、体温が安定しない

これらは「黄体機能不全」と呼ばれ、着床や妊娠維持を妨げる原因のひとつです。


🔸 黄体とは ―― 排卵後に生まれる“ホルモン工場”

排卵が起こると、卵子を包んでいた卵胞はわずか数日のうちに「黄体」へと姿を変えます。
この黄体は、妊娠成立と維持に不可欠な**黄体ホルモン(プロゲステロン)**を分泌する“ホルモン工場”のような存在です。

プロゲステロンは、

  • 子宮内膜をふかふか(着床しやすい状態)に整える
  • 着床後、胎盤が完成するまで妊娠を維持する
    といった働きを担っています。

🔸 血流が悪いと黄体形成が不完全に

黄体は、排卵後の卵胞壁に新たに張りめぐらされる血管によって成長します。
つまり、黄体そのものが「血流に支えられている組織」です。

もし卵巣の血流が悪いと、
黄体が十分に形成されず、黄体ホルモンの分泌も不安定になります。
これが黄体機能不全です。

その結果として、

  • 高温期が短くなる
  • 内膜が厚くならない
  • 着床しても維持できない
    といった状態が起こることがあります。

🔸 良好な黄体を得るためには「日常の血流」が鍵

良質な黄体をつくるためには、排卵の瞬間だけでなく、
普段から卵巣の血行を良好に保つことが重要です。
鍼灸やLLLT(低出力レーザー療法)は、そのための有効な手段です。


💫 鍼灸による骨盤内循環の改善

鍼灸は、自律神経と血管反応を利用して血流を促す治療です。
一例ですが、下腹部や足のツボ(関元・気海・三陰交など)を刺激することで、
骨盤内の血流が改善されることが報告されています。

主な作用

  • 交感神経の緊張を緩め、血管を拡張する
  • 卵巣動脈・子宮動脈の流れを改善する
  • 卵巣組織への酸素供給を増やす

その結果、卵胞の発育・黄体化・ホルモン分泌が整いやすくなります。


💫 LLLT(低出力レーザー)の血流促進メカニズム

LLLTは、体表から近赤外線を照射して細胞を刺激し、
エネルギー代謝や血流を穏やかに高める光療法です。

光が皮膚を通過して卵巣や子宮を栄養する血管(卵巣動脈・内腸骨動脈)に届くと、
細胞内でミトコンドリアが活性化し、同時に**一酸化窒素(NO)**が生成されます。
NOは血管をゆるめて拡張させ、局所血流を増やします。

重要なポイント

照射部位が卵巣そのものではなく、卵巣動脈に近い下腹部や鼠径部であっても、
その血流増加は卵巣内の微小循環に波及します。
つまり、「体表からのやさしい光」で卵巣の働きを助けることができるのです。


💫 鍼灸+LLLTの相乗効果

鍼灸が神経反射を通じて血管をゆるめ、
LLLTが細胞レベルで代謝と血管拡張を促す――
この二つを組み合わせることで、より安定した骨盤内循環が期待できます。

臨床的にも、鍼灸とLLLTを併用した方では、

  • 卵胞の発育がスムーズになった
  • 排卵後の高温期が安定した
  • 黄体ホルモン値(P4)が上昇した
    といった変化を実感されることがあります。

🌸 血流を整えることは「妊娠を支える力」を育てること

良好な卵巣血流は、卵子の質を高めるだけでなく、
排卵後に健全な黄体を形成し、プロゲステロンの分泌を支えます。
その結果、着床しやすく、妊娠を維持しやすい体内環境が整います。

つまり、卵巣の血流=黄体機能=妊娠を支える力という一連の流れが成立するのです。


🔸 冷え・ストレスへのケアも欠かせない

冷えやストレスは、交感神経を緊張させて血管を収縮させます。
鍼灸では、全身のバランスを整えながらリラックスを促し、
副交感神経が働きやすい“血流の良い状態”を保てるようにします。

心身の緊張をゆるめ、温かく柔らかな身体づくりを続けることが、
卵巣と黄体の働きを支える第一歩です。


🌼 まとめ ―― 卵巣の血流は妊娠力の土台

項目鍼灸&LLLTの主な効果
卵巣動脈の血流改善卵胞の発育・卵子の質向上
黄体形成の促進プロゲステロン分泌の安定
着床環境の改善子宮内膜の成熟・厚みの維持
妊娠維持のサポート胎盤形成までのホルモン支援
ストレス緩和自律神経・血流リズムの安定

鍼灸とLLLTは、コツコツと受け続けることで、薬や外科的処置に頼らず、
体の自然な回復力と調整力を引き出す方法です。

「排卵はあるけれど高温期が短い」「着床しても続かない」
――そんなときこそ、卵巣や黄体を支える血流のケアが大切です。

焦らず、日々のめぐりを整えながら、
“妊娠しやすく・続きやすい身体”を育てていきましょう。

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