あれほど暑かった夏もいつの間にか鳴りを潜め、朝晩は涼しくなってきましたね。やがて寒さが訪れるようになると恋しくなるのが猫ですね、個人的には。
さて、猫好きの皆さん、9月29日が「招き猫の日」だってご存じでしたか?
実はこの日は、「くる(9)ふ(2)く(9)」=「来る福」という語呂合わせから生まれた記念日なんです。
実は語呂合わせから生まれた日
1995年、日本招猫倶楽部という団体が「招き猫で福を呼ぼう」と制定しました。
猫の記念日と聞くと古来からの風習のようですが、実際はわりと新しいもの。
けれど、9月29日を「来る福」と読む遊び心こそ、日本人らしい文化ですよね。
発祥伝承は全国にいくつもある
「招き猫」の始まりについては、全国各地に伝承が残っています。
- 東京・豪徳寺の白猫伝説
井伊直孝(彦根藩主)が鷹狩りの帰りに猫に手招きされ寺に入ると、直後に雷雨。難を逃れたことから「招き猫」として広まったとされます。 - 東京・今戸神社の老婆と猫の夢
貧しい老婆が手放した猫が夢に現れ「自分の姿を人形にすれば幸せが来る」と告げ、招き猫を作り始めたところ大繁盛したという話。 - 愛知・瀬戸市の磁器の招き猫
明治30年代から陶磁器製の招き猫を量産し、瀬戸は「招き猫のふるさと」と呼ばれるようになりました。現在も「招き猫まつり」が開かれています。
どれも「猫が人に幸運をもたらす存在」として庶民に愛されていたことが分かります。
右手・左手・色による意味の違い
招き猫はただ可愛いだけではなく、それぞれに意味があります。
- 右手を挙げている猫 … 金運・幸運を招く
- 左手を挙げている猫 … 人やお客を招く
- 両手を挙げている猫 … ちょっと欲張り?「お手上げ」とも言われますが、近年は人気上昇中
さらに、色によってもご利益が変わるんです。
- 白 … 開運招福
- 黒 … 魔除け
- 金 … 金運アップ
- 赤 … 病除け
- 緑 … 学業成就、交通安全
自分の願いに合わせて選ぶのも楽しみ方のひとつですね。
招き猫まつり in 瀬戸(来る福 招き猫まつり)
関西大阪万博は終盤となり盛り上がっているようですが、「チケットが…」「予約が…」という猫好きの皆様は、招き猫イベントに参加するのもありかもにゃ。
概要・開催日時
- 開催日:2025年9月27日(土)・28日(日) 10:00~17:00(催しによって時間変動あり)
- 会場:名鉄瀬戸線「尾張瀬戸駅」周辺、瀬戸蔵、新世紀工芸館、パルティせと など
見どころ・催し物
- にっぽん 招き猫100人展
全国のアーティストによる創作招き猫100体が展示され、「日本招き猫大賞」も決定。 - 招き猫づくり体験
自作の招き猫を絵付け・成形できるワークショップが開催されます。 - 招き猫メイク / 猫耳・変身グッズ
来場者が「招き猫になりきる」体験ができる企画。メイクをして街歩きする人も多く、フォトジェニックな演出にも。 - 福々ランチ / 招き猫弁当箱付きメニュー
招き猫をモチーフにしたお弁当箱付きランチなどの飲食企画も人気。 - アートマーケット・グッズ販売
猫モチーフ雑貨、陶磁器、アクセサリー類など、作家もののグッズが揃います。 - 歴代大賞作品展示
過去の日本招き猫大賞受賞作も展示されることがあります。
背景・ポイント
会場周辺商店街を巻き込んだ町歩き型の企画が多く、猫の装飾や街中演出にも凝っており、「街全体が招き猫になる」感覚を味わえるのが醍醐味です。
瀬戸市は、明治30年代から磁器製の招き猫の量産を始めた地として知られており、「招き猫のふるさと」としての歴史があります。
このまつりは平成8年(1996年頃)から始まり、2025年で第30回を迎える伝統的な地域イベントになっています。
おわりに
「招き猫の日」は、語呂合わせから生まれたユーモラスな記念日。
でもその背景には、全国に広がる猫の伝承と、右手・左手・色に込められた深い意味があります。
ただ可愛いだけじゃない、猫が人々の暮らしに寄り添ってきた歴史を感じながら、お気に入りの招き猫を探してみてはいかがでしょうか。
そして、9月29日にはぜひ「福よ来い!」と猫に願いをかけてみてくださいね。